研究課題
若手研究(B)
約100例の小児固形悪性腫瘍の患者血清を用いて検討した結果、とくにMYCN増幅神経芽腫、ALK変異神経芽腫、βカテニン異常肝芽腫、キメラ遺伝子を有する胞巣型横紋筋肉腫、ユーイング肉腫などでは血中遊離DNAを用いたデジタルPCRにてこれらの遺伝子変異をスクリーニングすることが可能となった。また、神経芽腫では、特異的miRNAの検出も可能であった。特に、デジタルPCRを用いたMYCN増幅、βカテニン遺伝子変異の感度と特異性は高く、診断のみならず治療効果判定、再発のモニタリングに極めて有用と考えられた。
小児腫瘍では、腫瘍特性の診断や悪性度判定は治療に不可欠であり、従来は、腫瘍生検にて腫瘍細胞を採取して検討されてきた。しかし、小児に対する腫瘍生検は全身麻酔が必要でさらに、部位により必ずしも容易でない。そのために、今回の研究によって血中や体液中遊離DNAを用いた非侵襲的検査によるリキッドバイオプシーにて診断や予後予測が可能となった重要性は大きい。こうしたリキッドバイオプシーは、今後臨床応用に向けて臨床試験などへの導入が望まれる。
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 9件)
European Journal of Molecular Cancer
巻: 1 ページ: 2-8
10.31487/j.ejmc.2018.01.003
日本小児泌尿器科学会雑誌
巻: 27 ページ: 62-87
Human Pathology
巻: 66 ページ: 177-182
10.1016/j.humpath.2017.06.013