研究課題
若手研究(B)
本研究は急性病態における血液凝固線溶動態を解明し、その治療応用を目的としている。今回、急性病態下にある患者血液で、凝固線溶系マーカー及び炎症・血管内皮細胞障害関連の各種マーカーを解析した。急性病態において、ほぼ同様に侵襲に伴う凝固亢進やt-PAやPAI-1による線溶亢進から抑制への変化などの血液凝固線溶動態を捉えた。特に熱中症や腹膜炎に伴うDICに関しては、凝固線溶動態を指標とした治療戦略・効果判定が有用であった。更に、これらの凝固線溶異常と血管内皮細胞障害との関連を明らかにした。今回の結果は、DICなどの凝固線溶異常の病態解明と治療戦略構築に必須なものであると考えられる。
急性病態における凝固線溶異常は治療介入すべき問題点である。しかし、DIC治療で見られるように、大規模RCTの結果では肯定されない。その原因の一つは治療開始基準にあると考えられる。今回の結果、急性病態における凝固線溶動態をマーカーを用いて適確に捉えることができ、治療開始基準へと応用が可能であると考えられた。今後、DIC治療が必要かつ奏効する治療開始基準をマーカーとその動態考慮して設定していくことで、真の治療効果が明らかにされるものと思われる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)
Journal of Intensive Care
巻: 7 号: 1
10.1186/s40560-019-0359-3
Thrombosis Journal
巻: 16 号: 1
10.1186/s12959-018-0171-7
巻: 印刷中