研究課題/領域番号 |
17K17135
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小武家 誠司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (50744794)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 炎症抑制 / 象牙質・歯髄複合体 / 象牙質 / Phosphophoryn / 歯学 / 細胞・組織 / 生体分子 |
研究成果の概要 |
歯髄組織は、う蝕などで象牙質が露出した後も免疫応答によって不可逆性炎症への移行を抑制している。この研究では、象牙質・歯髄複合体に存在する多量な非コラーゲン性タンパク質の一つであるPhosphophoryn(PP)に着目し、PPが抗炎症能を持つかを検討した。その結果PPは、LPSに直接的に結合してTNF-α産生量を有意に減少させた。またLPS誘導による敗血症モデルマウスでは、PPの前投与はマウス致死率を有意に抑制した。さらに肝臓中の炎症性サイトカイン遺伝子(IL-6, IL-1β, TNF-α)の発現を有意に抑制した。以上の結果から、PPが炎症制御因子として機能している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究によってPhosphophoryn (PP) が抗炎症作用を有していることが明らかとなった。このことからPPは、抗炎症作用と硬組織誘導能によって歯髄の恒常性維持に関与していることが示唆された。う蝕などの歯の硬組織疾患の初期段階において象牙質が脱灰した際には、PPは溶出し露出した象牙細管を通じて歯髄組織内に流入し、外来刺激に暴露された歯髄組織における炎症の初期反応を抑制する因子として機能している可能性が考えられる。このような炎症制御因子としての機能に着目し、PPを新たな覆髄剤として応用するための研究へとつながったと考えている。
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