研究課題/領域番号 |
17K17210
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
歯科医用工学・再生歯学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
緒方 謙一 九州大学, 大学病院, 医員 (30778858)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 幹細胞培養上清 / 歯髄幹細胞 / 抗炎症作用 / 液性因子 / 培養上清 / 放射線性唾液腺障害 |
研究実績の概要 |
幹細胞培養上清(CM)としてヒト骨髄由来間葉系幹細胞培養上清(BMMSC-CM)およびヒト歯髄幹細胞培養上清(DPSC-CM)の2種類を用意した。37℃・5%CO2で培養後、80%コンフルエントの状態で培地を無血清DMEMに交換した。48時間後培養上清を回収し、死細胞等を除去するため遠心分離して0.22 μmのフィルターを通して使用した。これら2種のCMをサイトカインアッセイにより網羅的解析を行った。次に、ヒト末梢血単球細胞をヒトT細胞増殖因子であるphytohemagglutinin (PHA)での刺激条件の下、1週間培養した。その後、2日間無血清DMEM、BMMSC-CMおよびDPSC-CM存在下でそれぞれ培養し、活性化T細胞の割合を見るために、フローサイトメトリーにてCD3+CD25+CD69+活性化T細胞の割合を算出した。 サイトカインアッセイから、DPSC-CMはBMMSC-CMと比較すると、抗炎症作用のあるIL-10とIL-13が多く含まれていることがわかった。また、細胞増殖能、血管新生能を有するHepatocyte growth factorはDPSC-CMのみに分泌されていることがわかった。フローサイトメトリーにおいて、PHAで刺激したT細胞がDPSC-CMを加えることで、その割合が著明に低下することがわかった。 以上のことから、DPSC-CMには、BMSC-CMより免疫抑制、細胞増殖および血管新生に働く液性因子が多く含まれ、T細胞の活性化を抑える働きを持つことがわかった。今後は、in vivoにて唾液腺障害モデルマウスにDPSC-CMを投与(静注または局注)し、唾液腺の病理組織像や唾液量の変化などを評価して、DPSC-CMによる新規治療法の開発に繋げたい。
|