研究課題/領域番号 |
17K17337
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
村田 佳織 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (70781053)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯原性上皮細胞 / 歯髄幹細胞 / カルシウム応答 / イメージング / 歯の発生 / マイグレーション / SOCE / 歯原性上皮 / 薬理学 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯の発生過程におけるCa2+シグナルの役割を明らかにすることを目的に計画された。発生過程では、細胞増殖やマイグレーションによる形態形成と、細胞間相互作用による細胞分化が重要である。本研究では、ラット歯原性上皮細胞(SF2)とヒト歯髄幹細胞(DPSC)に異なる蛍光を発するCa2+センサーを発現させ、長時間ライブセルイメージングの実験系を確立した。この実験系を用いて、SF2細胞やDPSCにおいて自発的で間歇的なCa2+応答が起こることや、これらの共培養によってCa2+応答のパターンが変化することが明らかになった。 SF2細胞のマイグレーションを定量的に解析すると、ストア作動性Ca2+流入機構をLa3+によって抑制するとマイグレーションが抑制されることが明らかになった。このことより、SF2細胞のマイグレーションでは、Ca2+シグナルが重要な役割を担うことが示唆された。また阻害剤を用いた解析から、SF2細胞のCa2+応答におけるP2Y受容体と受容体チロシンキナーゼの関与が明らかになった。このことから、受容体チロシンキナーゼによるマイグレーションの促進が、ATP放出の促進を介してCa2+応答を起こした可能性が考えられた。 SF2とDPSCの共培養によってDPSCの自発的Ca2+応答が増加することが明らかになった。このDPSCのCa2+応答にも受容体チロシンキナーゼが関与していた。受容体チロシンキナーゼは、DPSC単独培養でおこるCa2+応答にはあまり関与していないことから、SF2から放出される因子によってDPSCの反応が変化したと考えられた。網羅的遺伝子解析とRT-PCRの結果から、共培養によってDPSCにおけるTGFβ3の遺伝子発現が増加し、それがLa3+によるCa2+シグナルの抑制によって低下することが明らかになった。 これらの結果から、SF2細胞のマイグレーションやDPSCの遺伝子発現におけるCa2+応答の関与が明らかになった。
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