研究課題/領域番号 |
17K17388
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会系歯学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 悠 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50757200)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | カカオ豆抽出物 / P. gingivalis / 歯周組織 |
研究実績の概要 |
カカオ豆抽出物は、Streptococcus mutans のグルコシルトランスフェラーゼ活性を阻害して細菌付着能の減少や Porphyromonas gingivalis (P. g )のコラゲナーゼ活性を抑制することが報告されている。また医学領域においては、ヒトの老化や生活習慣病、体内で発生する活性酸素種の酸化作用や高血圧症、アテローム性動脈硬化症にも有効であることが明らかとなっている。そこで、歯周組織を健全に保つ作用に着目し、歯周病原細菌であるP. g ATCC 33277に対するポリフェノール含有量の異なるカカオ豆抽出物であるCacao Bean Polyphenol Extract (CBP)およびHPカカオエキスPW-VE-R(PW-VE-R)の抗菌効果について検討を行った。 抗菌効果の測定は、P. g を各種濃度のCBP およびPW-VE-R に添加し、生菌数測定を行った。バイオフィルム形成は、P. g を円形カバーガラスに形成し、形成したバイオフィルムに対して、各種濃度のCBPおよびPW-VE-Rを添加し、蛍光顕微鏡にて観察した。活性酸素種の消去能は、各種濃度の CBPおよびPW-VE-RをESR法にて測定した。 CBPおよびPW-VE-RのどちらにもP. gに対する抗菌効果が認められ、P. gバイオフィルムにも明らかな殺菌効果が認められた。さらに、カカオ豆抽出物は、活性酸素種であるスーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルの消去能を有することが明らかとなった。また、歯肉上皮細胞への付着抑制効果も認められ、実験的歯周炎モデルでは、P. g 感染群と比較してカカオ豆抽出物を接種した群で骨吸収量抑制が認められた。 以上の結果から、カカオ豆抽出物は歯周組織破壊の改善効果を有することが示唆された。
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