研究課題/領域番号 |
17K17596
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
ジェンダー
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
妙木 忍 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (30718143)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 文化資源 / 医学史 / ジェンダー / 複製身体 / 余暇の社会史 / 文化資源学 |
研究実績の概要 |
2023年度は、ハンガリー・ブダペストのセンメルヴェイス医学史博物館に展示されている解剖学用ヴィーナスの展示経緯と歴史的背景を明らかにする論文を執筆した。 センメルヴェイス医学史博物館における、解剖学用ヴィーナスを含む医学模型は、1700年代後半にフィレンツェで作られ、フィレンツェからウィーンへ、ウィーンからペストに輸送された。ウィーンで妊娠している蝋人形が先に確保され、ペストには妊娠していない蝋人形が届けられた。展示品の納品と受領は1967年におこなわれ、1972年以前に展示が開始されたことがわかった。ヴィーナスの展示開始時期と社会主義の関係はないことがわかったが、このヴィーナスの展示を可能にしたのは博物館という装置によってであり、その博物館の創設においては、社会主義時代の文化政策担当機関からのサポートがあったことがわかった。 センメルヴェイス医学史博物館のヴィーナスの由来と展示経緯を調べるためには、これまでに調査をしてきたフィレンツェ、ボローニャ、ウィーン、パヴィアなどにある横たわる女性の蝋人形に関する知識が必要であり、これまでの現地調査を踏まえて研究をおこなった。カリアリにあるクレメンテ・スシーニの解剖模型の調査も本研究に寄与している。 本研究成果は、女性の身体表象、医学と芸術の関係に関する示唆を与えるものであり、センメルヴェイス医学史博物館の事例を詳細に検討した成果は意義があるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィレンツェ、ボローニャ、ウィーン、パヴィアなどの現地調査の成果も踏まえて、ブダペストのセンメルヴェイス医学史博物館の解剖学用ヴィーナスの展示経緯と歴史的背景を考察することができた。
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今後の研究の推進方策 |
横たわる女性の蝋人形が作られた時代背景などを分析しつつ、女性の身体表象や医学と芸術の関係などについて考察を深めていく。また、妊娠している蝋人形と妊娠していない蝋人形が持つ意味についても分析をおこないたい。
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