研究課題/領域番号 |
17K17602
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本史
経済史
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研究機関 | 奈良女子大学 (2019-2022) 東北大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
村上 麻佑子 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70791565)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 貨幣史 / 災害史 / 古代史 / 日本史 / 貨幣 / 古代銭貨 / 飢饉対策 / 災害 / 気候変動 / 銭貨 / 経済史 |
研究成果の概要 |
本研究では、日本と中国の古代国家が、飢饉や災害などの非常時において、貨幣政策を行っていたことをタイミングに注目して分析した。さらに、その意義を文献史料から探った結果、日本と中国のいずれの地域でも、貨幣発行は、非常時に混乱し大量死の危機に瀕する社会構造を立て直すための活路として、国家によって見出された政策であったことを結論付けた。貨幣には、災害や疫病、飢饉といった非常時の社会的ダメージを復旧する機能があり、すでに古代の統治者はそれを理解し運用していた。こうした貨幣の持つ「人間社会を維持し制御する力」に注目し、非常時における貨幣のあり方を見極めることは、貨幣の可能性を探る上で重要な意義を持つ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、これまで注目されてこなかった気候変動、災害、疫病、飢饉といった非常時に目を向けて、貨幣の流通、および統制政策が如何に行われていたか検討した点にある。先行研究においては、貨幣は政治史、社会史、経済史の中で平時のものとして扱われ、商品経済を回すための交換手段としての役割を中心に論じられてきた。しかしながら、非常時に意図的な流通が行われていたことを指摘したことで、大量死の危機に瀕する社会状況において、古代国家は復旧インフラの役割を、貨幣に見出していたという新たな視角を得ることができた。
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