研究課題/領域番号 |
17K17608
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物理化学
生物物理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小井川 浩之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40536778)
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研究協力者 |
高橋 聡
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | タンパク質 / フォールディング / 遷移経路 / 一分子蛍光測定 / 生物物理 |
研究成果の概要 |
一分子蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)測定によりタンパク質の折り畳みの際の遷移経路を追跡することを目指した。これまで開発してきたライン共焦点光学系とマイクロ流路を組み合わせた装置は時間分解能が不十分であった。そこでハイブリッド光検出器を導入し、時間分解能を劇的に改善した。装置評価のため二重蛍光標識した分子モーターF1-ATPaseの構造変化追跡を試みた。10マイクロ秒分解能で10ミリ秒の長さの一分子FRET効率時系列が得られた。残念ながらATP加水分解に伴うF1-ATPaseの速いFRET効率変化はとらえられなかったが、生体高分子構造変化の遷移経路を追跡可能な一分子測定手法が確立できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質などの生体高分子は機能発現時に多くの場合立体構造が変化し、構造変化時にたどる遷移経路は酵素反応や分子生物学的過程と深く関わる。遷移経路の理解は、タンパク質が関わる疾病の治療や、人工タンパク質の創製などに有益であり、社会的に重要である。近年、分子動力学計算によって、計算機では生体分子の構造転移を追跡できるようになったが、実験的手法はほとんどない。本研究で開発した一分子の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)効率を10マイクロ秒分解能で追跡する手法はその有力な候補である。この手法は広範な生体高分子の構造変化の遷移経路追跡に適用可能であるため、学術的にも重要である。
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