研究課題
若手研究(B)
海洋酸性化はサンゴに負の影響をもたらすが、その程度は種によって異なる。本プロジェクトでは群体形状の異なるサンゴに対して、海洋酸性化や低温ストレスに対する応答を解析し、テーブル状サンゴ(エンタクミドリイシ)が相対的に脆弱であること、種間差はサンゴ表面のpHの不均一性に起因することを明らかにした。さらに、式根島とパプアニューギニアのCO2シープの調査によって、耐性種は石灰化に投じるエネルギーが脆弱種に対して相対的に大きいことが明らかとなった。これらの成果に加えて、二種のサンゴのプラヌラ幼生の呼吸量が海洋酸性化の進行に伴い増大し、サンゴの加入に関連する化学物質への応答阻害も引き起こすことが示された。
サンゴの群集組成の将来予測が求められている中、海洋酸性化に対するその適応メカニズムを知ることが必要である。本プロジェクトでは、サンゴの群体形状および生理的特色が適応性の決定要因になることを明らかにした。その特色は種特異的であり、海洋酸性化が生じるタイムスケールでは、脆弱種が新たに適応性を獲得するとは考えにくい。更に海洋酸性化はサンゴの幼生にも負の影響を与えることが示された。これらの影響は、海洋酸性化がサンゴの群集組成の激変を引き起こすことを意味している。
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Scientific Reports
巻: 8 号: 1 ページ: 11354-11354
10.1038/s41598-018-29251-7
120007133911
Proceedings of the COAST Symposium
巻: in press