研究課題
若手研究(B)
統合失調症の死後脳ではGABA合成酵素GAD67の発現低下が見られる。本研究ではゲノム編集法を用いてモデル動物(ラット)において人工的にGAD67を欠損させた(GAD67KO)。GAD67KOラットの33%程度は成獣まで発育することができ、その後の死亡率は野生型のラットと変化がない。そこでこのラットの行動を解析したところ、認知機能障害や活動量の変化など、統合失調症と関連のある表現型が認められた。この新規モデル動物の脳内を調べたところ、大脳皮質の免疫担当細胞の形状が変化していることが示唆された。
統合失調症はその原因・病態が完全には明らかになっていない。その解明は新たな治療法の開発にも繋がると考えられ、社会的な意義も大きい。本研究では統合失調症の新たなモデル動物(GAD67KOラット)を作製することに成功した。このモデル動物はGABA神経系に注目して作られたものであるが、その他の神経システムなど(神経免疫系)にどのような影響があるかなど、ヒトでは立証困難な因果関係を解析できるツールとなることが期待できる。学術的には、精神疾患のモデル動物としてだけではなく、GABA神経系の機能を解明する上でも利用できると考えられる。
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