研究課題/領域番号 |
17K17657
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生命・健康・医療情報学
システムゲノム科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 信人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (30749304)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | コンピュータシミュレーション / モデル化とシミュレーション / 遺伝情報の起源 / 多階層進化 / セントラル・ドグマ / 生物普遍性 / 進化 / セントラルドグマの起源 / 多細胞生物の起源 |
研究実績の概要 |
細胞を構成する分子は、遺伝情報を伝えるゲノムと、その他の機能を担う触媒に分化している。これはなぜだろうか?本年度の研究により、我々はこの疑問に次のように答える事が可能になった。 複数の分子を内部に含む原始的細胞を想定しよう。分子は、複製の鋳型としても触媒(ポリメラーゼ)としても働く事ができるとする。ただし鋳型活性と触媒活性の間にはトレードオフがあり、ある分子が触媒または鋳型の一方の機能を担う頻度が高いほど、同分子がもう一方の機能を担う頻度は減るとする。分子は、自己複製が起きやすいほど進化的に有利なので、自分が鋳型になる頻度を増やす為、自己の触媒活性を減らす方向へ進化する。逆に細胞は、内部分子の触媒活性が高いほど増殖速度が速いので、この活性を増やす方向へ進化する。さて、分子にはRNAとDNAの2種あると仮定しよう(以降R/Dと略記)。簡単の為、初め2種は化学的に区別できないとする。突然変異などの偶然により、Dの触媒活性がRの触媒活性より僅かに下がったと想定しよう。するとトレードオフによりDの複製速度はRの複製速度よりも速くなる。したがってDを介して伝わる遺伝情報の割合が増え、その結果Dを介して起きる進化がRを介して起きる進化よりも重要になる。Dを介した進化は、Rの触媒活性を上げ、Dの触媒活性を下げる傾向がある。なぜなら、Dの複製にとって、Rが触媒として働く事は細胞レベルで利益があるが、Dが触媒として働く事はトレードオフのせいで分子レベルの不利益があるからである。したがって、初めに仮定したRとDの間の微小な触媒活性の違いは増幅される(対称性の自発的破れ)。こうしてDはゲノムに、Rは触媒にやがて進化する。 本研究は、細胞を構成する分子がゲノムと触媒に分化する理由を理論的に説明できるようになったという画期的成果をもたらした。本研究を報告する論文は国際誌に現在投稿中である。
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