研究課題/領域番号 |
17K17745
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教科教育学
美学・芸術諸学
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
玉村 恭 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50575909)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 能楽 / 古典芸能・古典音楽 / 伝統芸能・伝統音楽 / 教授法 / 学習法 / 伝承法 / 素人 / アマチュア / 芸術諸学 / 教育学 |
研究成果の概要 |
研究成果は以下の三点に要約される。(1)明治・大正期の能楽においては、こんにち伝統的な教授法・学習法として正統とされるものとは違った形の伝承法・伝習法が、機能していたことが確認された。(2)それは、当該時期に活発に活動していたアマチュアたちによって担われていたものであり、質的にも、彼らのエートスを強く反映するものであることが明らかになった。(3)そうした教授・享受のありようは、世界各地の民族音楽と称されるもの、とりわけポピュラーな性格の強いそれらと共通するところの多いものであること、伝統音楽はカノンあるいはハイカルチャーなどの文脈とは違った形で捉え得る一面を持つことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統音楽とりわけ能楽は、これまで〈古典芸能〉〈芸道〉といった文脈のもとに、つまりカノン(正典)ないしハイカルチャーの観点から語られることが多かった。しかし本研究で明らかになったように、能楽は鑑賞ではなく実践を、教理よりも愉悦を求めるアマチュアたちをも惹きつけるものを持っており、広く人々の感性に訴えるポピュラリティを潜在させている。このことは、伝統の力と価値をどのように捉えるかということについて、我々に反省を迫るものであろう。また、近代初期の能楽はそうした側面を否定せず、むしろそれに立脚する形の教授法・伝承法を磨いてきた。このことは、学校教育・伝統文化教育の今後を考えるヒントになるだろう。
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