研究課題
若手研究(B)
本研究では、ADの基本病態である脳内Aβ蓄積をきたす一次的原因を解析し、発症前診断法や先制治療法の開発に資することを目的とした。Aβ産生抑制活性を有するILEI発現低下機構の解明のため、ILEI遺伝子のプロモーター領域と内因性転写因子を同定した。AD脳のILEI発現レベル低下の原因が転写因子の発現低下によることが示唆された。脳内ILEI発現レベルの減少がAD発症のリスク因子となるかを検証するため、ゲノム編集でILEI KOマウス及びcKOマウスを作製し、実際にそれぞれILEI発現の消失及び減少を確認した。App(NL-F)及びApp(NL-G-F)マウスと掛け合わせ、解析を進めている。
これまで認知症の複数の臨床治験が進められたが、多くは効果不足と副作用から中断を余儀なくされてきた。認知症発症に25年以上先行するとされるAβ蓄積の初期ないし蓄積前からのAβ抑制を行う先制医療の実現のためには、脳内Aβ蓄積の一次的要因を明らかにすることが重要な課題となる。しかし、これまでその知見は極めて乏しく、これが先制医療実現の障壁になっている。本研究による脳内ILEI発現低下機構及びAD発症のリスク因子の検証の成果は、発症前診断法や先制治療法の開発につながるものである。
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Journal of Alzheimer's Disease
巻: - 号: 1 ページ: 45-60
10.3233/jad-191081
120006859791
Biochemistry and Biophysics Reports
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