研究課題
若手研究(B)
本研究では、竹材の新規利用システムの構築を目指し、竹の伸長成長過程および成熟後における細胞壁構造の解析とそれに基づく高性能セルロースナノファイバーおよびナノ複合材料製造手法の検討を行った。竹の伸長成長過程および成長完了後の細胞壁構造は細胞壁層の増加に伴い、セルロースミクロフィブリル傾角やリグニン化学構造の変化が確認され、材の曲げ強度や動的粘弾性へ影響を与えている可能性が考えられる。また、様々な竹齢の試料からセルロースナノファイバーを製造し、特性評価を行ったところ、伸長成長過程初期の竹材からは軽微な機械解繊処理によりナノファイバー化が可能であり、耐熱性に優れていた。
近年、植物材料由来のセルロースナノファイバーおよびそれを補強材料としたナノコンポジットの研究が、次世代の低環境負荷・持続型資源材料として注目を浴びており、ナノファイバー利用の可能性は急速に広がっている。本研究課題では、日本における未利用資源として伸長成長過程にある竹材および伐採適齢期以外の竹材の細胞壁構造の解析とそれに基づく最適なナノファイバー製造手法の提案を行った。これらは、これまで未知であった竹材本来の機能や特性を解明するという学術的意義に加え、全国で深刻化する放置竹林問題の解決の一助となり、その他の植物系バイオマス原料の新たなる利用を促進する社会的意義を持つものである。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 4件)
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