研究課題/領域番号 |
17K17849
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
機能物性化学
有機化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西内 智彦 大阪大学, 理学研究科, 助教 (10706774)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 放射状πクラスター / アントラセン / 光異性化 / エキシマ-発光 / エキシマー発光 |
研究成果の概要 |
本研究は、分子内にアントラセン骨格をできるだけ密に集積させた「πクラスター分子」と呼べる密集型π電子系化合物の合成および得られた化合物の基礎物性の知見を得る事を目的として実施した。目的化合物の一つであるベンゼン環の隣接位に四つのアントラセンを導入した化合物(1,2,3,4-テトラアンスリルベンゼン)の合成を試みたが、研究期間中にそれを得ることは出来なかった。一方で、メチル基に三つのアントラセンを導入したトリアンスリルメチル(TAntM)ラジカルの合成に成功した。嵩高いアントラセンによる速度論的安定化、1000nmに及ぶ近赤外吸収など様々な興味深い特性を明らかにすることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TAntMラジカルの分子骨格は、以前にも合成が試みられたことがあるが達成されていなかった。本研究課題においてはその合成法を編み出すことに成功し、今後類似のπ電子密集型化合物の合成にも適用されることが期待される。 TAntMラジカルの物性において、近赤外吸収と安定な酸化還元特性はラジカル種のSOMOエネルギーの高さにアントラセン骨格のπ平面の広さが掛け合わされて得られた特徴であり、良い電子ドナーとしての利用が大いに期待できる。さらに驚異的な速度論的安定化は、アントラセン骨格を密に集積させたことで初めて得られるものであり、高反応性化学種の安定化手法の一つとして普及していくことが期待できる。
|