研究課題/領域番号 |
17K17858
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ジェンダー
社会学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
東 園子 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (40581301)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ジェンダー / 男性性 / 男同士の絆 / やくざ映画 / 日本映画 / 戦後社会 / 女性性 / 社会学 / 戦後日本社会 |
研究成果の概要 |
本研究では、1960年代から1970年代のやくざ映画におけるジェンダー描写の変化の分析を通して、女性の支配や暴力を伴わない男性性を模索した。やくざ映画は、家庭の団欒の対極にあるジャンルとして、戦後社会に戸惑い疑問を抱く男性たちを惹きつけることができたと考えられる。1960年代は義理が絡む男同士の関係と人情を象徴する女性との関係の間で集団と個人の葛藤を描きつつ、義理が優先された。それが1970年代には、欲望や自由が義理や人情に妨げられる葛藤になる。男性が人情を受け入れることで新たな男性性が成立する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、自由と欲望を妨げるものとして旧来の「男らしさ」を否定する、従来指摘されたものとは異なる形での脱男性化を示した。また、女性の支配や暴力を伴わない男性性は男性が人情を受け入れることによって可能になるのではないかという、ケアする男性性(caring masculinity)概念に通じる点を見出した。これらは今後の男性性研究に貢献しうる。また、男性支配社会において、女性は異なる行動原理を持ち込むものとして排除されようとするという本研究の知見は、女性差別を解明するジェンダー研究等に生かすことができるだろう。
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