研究課題/領域番号 |
17K17938
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
歯科医用工学・再生歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高井 信吾 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30760475)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 味覚 / インスリン / オルガノイド / 味細胞 / 幹細胞 / ホルモン |
研究成果の概要 |
本研究では、インスリンとその下流分子に着目し、その末梢味覚器における働きを探索した。インスリンレセプターはマウス味蕾に広く発現しており、また、マウス味蕾幹細胞を高濃度のインスリンを含む培地で培養すると、コロニーに含まれる味細胞の数、味細胞マーカーmRNA発現が有意に減少することがわかった。さらに、インスリンシグナリングの下流に存在し、細胞分裂や生存の調節に重要な働きを持つことが知られるmTOR経路を薬理学的に阻害すると上述のインスリンの効果は打ち消された。以上の結果は、インスリン-mTOR経路が味細胞の分化/増殖調節に大きく関わる可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
味細胞は絶えずターンオーバーを繰り返しながらその構造的恒常性を保っているが、その調節メカニズムには未だ不明な点が多い。本研究では体内のエネルギーホメオスタシス維持に重要なホルモンであるインスリンが、味蕾幹細胞から味細胞に成熟する過程でその分化・増殖に影響を及ぼすことを明らかにした。昨今、様々な生活習慣病、特に肥満、糖尿病が世界的に深刻な問題となっている中、本研究はで得られた結果は過食、糖尿に伴う高インスリン血症が、末梢味覚器の恒常性維持に悪影響をもたらすという新たな病態生理学的モデルの存在を提示する。
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