研究課題/領域番号 |
17K17968
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
腫瘍治療学
生体関連化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新地 浩之 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (70770155)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アジュバント / 金ナノ粒子 / 糖鎖 / 免疫療法 / ワクチン / TLR / がん免疫療法 / TLRアゴニスト / ワクチン療法 |
研究成果の概要 |
本研究では、がん関連糖鎖抗原とアジュバント(免疫増強剤)となる合成低分子Toll様受容体7(TLR7)アゴニストを共固定化した金ナノ粒子を用いたがんワクチンの開発に取り組んだ。本研究で用いた糖鎖抗原は、免疫細胞への輸送能が乏しく、がんワクチンの開発には至らなかった。一方、αマンノースなどの糖鎖とTLR7アゴニストを共固定化した金ナノ粒子は、低分子のTLR7リガンドに比べて有意に高いアジュバント活性を示し、細胞性免疫を誘導可能なアジュバントになることを見出した。また、一部の糖鎖構造では腫瘍の増大抑制効果が認められたことから、がん免疫療法のための有用なアジュバントになることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TLRアゴニストは、自然免疫を活性化し、獲得免疫の誘導に寄与することから、ワクチンや免疫療法のアジュバントとしての利用が期待されている。その中でも、TLR7のアゴニストは、種々の合成低分子化合物が開発され、抗ウイルス治療薬として既に臨床利用されている。しかし、全身投与すると致死的な副作用を誘発する恐れがあり、その利用法が制限されていた。本研究では、糖鎖を固定化した金ナノ粒子を用いて合成低分子TLR7アゴニストを免疫細胞選択的に輸送することで、安全且つ効果的なアジュバントとして利用できることを見出した。今後、がんや感染症に対するワクチンや免疫療法のアジュバントとして幅広い応用が期待できる。
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