研究課題/領域番号 |
17K18093
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
疼痛学
麻酔科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 純悟 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40465018)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 慢性痛 / 神経成長因子 / 関節炎 / 先天性無痛無汗症 / 鎮痛薬 / 骨破壊 / 痛み / 術後痛 / 神経障害性疼痛 / 炎症性疼痛 / 痛覚神経活性化マーカー / 精製タンパク / 後根神経節 in vitro assay / ウェスタンブロット / 痛覚感作 |
研究成果の概要 |
本研究では、重大な社会問題である慢性疼痛に対し、神経成長因子(NGF)に着目して新規鎮痛標的の同定を試みた。このNGF変異によって起こる、骨関節の痛覚が特異的に欠如する先天性無痛無汗症V型という疾患に着目し、この疾患のモデルマウスを確立し解析を進めたところ、骨関節の炎症時際に特異的な痛みの欠如が見られた。一方、このNGF変異マウスの唾液腺を調べたところ、NGFは正常に分泌され、組織解析でも神経系の発達も正常であった。さらにこのNGF変異マウスでは炎症時の骨破壊が著しく軽減されることから、このNGF変異が引き起こすシグナリングの変化は骨保護作用のある有力な新規鎮痛標的になりうることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性疼痛は様々な病因で発症し、実に25%にあたる多くの国民に苦痛、QOLの著しい低下をもたらし、社会生活活動の低下から大きな社会問題を招いている。従来の治療では満足が得られないことが多く、発症機序のさらなる理解とそれに基づく新規治療法の確立が喫緊の課題である。NGFは古くから鎮痛標的として注目を集めてきたが、副作用の問題から臨床応用へは至っておらず、より痛みに特異的なシグナリングの同定が求められてきた。本研究のNGF変異マウスでのシグナリングは骨保護作用を有する鎮痛効果が期待でき、創薬への発展が期待される。
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