研究課題/領域番号 |
17K18147
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中山 実 東邦大学, 理学部, 博士研究員 (40449236)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / アセリルコリン受容体 / シナプス間隙 / エンドサイトーシス / アセチルコリン受容体 / α7 / シナプス / 分泌性タンパク質 |
研究実績の概要 |
神経伝達物質受容体のシナプスへの集積は、正常なシナプス機能の発現に重要な役割を果たす。シナプスにおける細胞内足場タンパク質のみならず、シナプス間隙に局在する細胞外タンパク質によっても、受容体のシナプス局在が制御を受けていることがわかっている。研究代表者らは、ショウジョウバエにおけるシナプス間隙タンパク質Hikaru genki (Hig)が中枢アセチルコリン受容体(AchR)の局在制御を行っていることを示してきた。しかしながら、具体的にどのようにHigがAchRの局在を制御しているかは不明であった。 これまでの研究において、以下の点が明らかにされていた。hig機能喪失型突然変異体ではDα6とDα7 AchRサブユニットのシナプス局在レベルの低下が見られる。興味深いことに、hig変異体におけるDα6局在レベルの低下は、Dα5 AchRサブユニットの機能喪失型変異体によって回復する。また、Dα5 単独変異体においても、Dα6およびDα7のシナプス局在レベルが野生型と比較して上昇する。このことから、 Dα5は他の受容体サブユニットの局在レベルを調節する因子であると考えられ、H29年度に見出したHigによるDα5のエンドサイトーシス制御がこれに関与すると考えられる。 hig変異体におけるDα5変異は、Dα6サブユニットのシナプス局在レベルの上昇のみならず、hig変異体が示す表現型である活動性の低下や寿命の短縮も救済する。これらのことから、アセチルコリン受容体のシナプス局在レベルの低下が、hig変異体が示す活動性の低下と寿命短縮の原因であると考えられた。本年度の研究において、hig変異体においてDα6またはDα7を過剰発現させることで、hig変異体の寿命短縮を一部救済することを見出し、上記の考察を裏付ける結果を得た。以上により、AchR局在制御におけるHigの役割の一端を明らかにした。
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