研究課題/領域番号 |
17K18246
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
美学・芸術諸学
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研究機関 | 北海道大学 (2018-2019) 京都造形芸術大学 (2017) |
研究代表者 |
今村 信隆 北海道大学, 文学研究院, 特任准教授 (90793620)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 美術批評 / 声 / 会話 / フェリビアン / ド・ピール / 美術館 / 17世紀 / 対話型鑑賞 / 美術鑑賞 / 対話 / 17世紀フランス / 鑑賞教育 / 美術批評史 / 博物館史 / 博物館の公共性 / 博物館学史 |
研究成果の概要 |
芸術作品の鑑賞場面において、鑑賞者たちの会話や声はどう位置づけられてきたのか。この問題について本研究では、美術批評史や美学思想史に関する歴史的側面と、現代の博物館学との両面から検討した。 まず、17世紀フランスの絵画愛好家たちの著述の分析からは、彼らにとって、会話が鑑賞経験の重要な一部であったこと、会話のあり方が鑑賞の成否にさえ影響を与えるものであったことを明らかにした。加えて、にもかかわらず18世紀以降の哲学者や批評家の多くが、鑑賞の態度としても、作品を論じる方法としても、声や会話に重きを置かなくなっていくこと指摘し、現代のミュージアムにおける声の復権と比較する視座を確保することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20世紀後半までのミュージアムでは、鑑賞の理想は、静かに、可能であれば孤独に作品と向き合うことであった。しかし現代では、対話型鑑賞に代表されるように、鑑賞場面に他者との会話が入り込み、いわば声の復権とでも言うべき事態が生じている。本研究では、こうした事態の思想史的な背景を示し、現代の鑑賞を考えるための視点を提供することができた。すなわち、20世紀後半までの鑑賞場面を規定していた鑑賞の理想が、実は18世紀以降の歴史的産物であることを指摘するとともに、ミュージアム誕生前夜にあたる17世紀後半のフランスには、むしろ現代に近い、語らいの愉しみと一体になった鑑賞場面がすでに存在していたことを跡づけた。
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