研究課題/領域番号 |
17K18273
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教育学
子ども学(子ども環境学)
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研究機関 | 大阪府立大学 (2018-2020) 神戸松蔭女子学院大学 (2017) |
研究代表者 |
吉田 直哉 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (70626647)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ヴィゴツキー / ポルトマン / パヴロフ / マカレンコ / 保育構造論 / 生活指導論 / 安部富士男 / 高橋さやか / 天野章 / 加古里子(かこさとし) / 集団主義保育 / リズムあそび / 児童文学 / 子ども観・児童観 / 伝えあい保育 / 集団保育 / 言葉の発達 / 社会性の発達 / 教育学 / 保育学 |
研究成果の概要 |
「伝えあい保育」の理論は、人間に対する認識、および人間が形成する社会に対する認識と緊密に結びつけられながら形成され、発展した。保育の基礎理論としての人間論・社会論は、その素材をソヴィエト=ロシアの諸学から得てきた。しかし、それは決して、安直な翻訳的導入だったのではない。戦後の保育をめぐる時代情況、特にその時点における支配的な教育学説、心理学説、社会学説を相対化するための拠点が、ソヴィエト=ロシアにおける社会科学の諸概念に求められたのである。「伝えあい保育」を創り上げようという動機は、戦後日本という時代情況の中で、主流を占めたパラダイムに対するアンチテーゼを提示しようというものだった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「伝えあい保育」の理論的側面に光を当てた。現在の保育学研究は、実践研究、特に実践の意味を解釈しようとする研究に過剰なウェイトがかかっている。しかしながら、実践への意味づけや評価は、理論や思想によってこそ可能になるということを自覚化しようとする研究は乏しい。保育学研究においては、研究者自身が抱く保育に関する規範や価値は、暗黙の内にとどめおかれ、それゆえに言語化されることがない。保育について語ること、考えることは、保育についての自らの価値観を産出・形成している理論や思想を包摂することで、初めて可能になるはずである。本研究は、そのための礎石の一つである。
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