研究課題/領域番号 |
17K18284
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
高分子化学
高分子・繊維材料
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
大坂 昇 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (80550334)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | イオン液体 / ゲル / 相分離 / 結晶化 / 多孔体 / 溶媒和 / 高分子 / 高分子ゲル |
研究成果の概要 |
本申請者は、フッ素系結晶性高分子とイオン液体からなる溶液が高リチウム塩濃度において相分離を起こすことを見出した。この発見を契機として、相分離と結晶化の競合で多孔性のイオン液体ゲルが作成できることを明らかにし、その機構解明を行なった。相分離温度と結晶化温度の詳細な相図の作成や熱物性の解明を行い、相分離はリチウム塩濃度が20wt%以上で出現すること、大幅な融点の上昇は相互作用パラメータの上昇に由来することを明らかにした。また、リチウム塩がイオン液体のアニオンと錯体を形成し、アニオンによるPVDFへの溶媒和が減少することでPVDFがエネルギー的に不安定化し、その結果相分離が起きることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン液体は不揮発性や不燃性をもつためリチウムイオンポリマー二次電池の次世代電解液として期待されている。一方、フッ素系結晶性高分子を用いたゲル電解質には多くの応用開発例があるにも関わらず、イオン液体を溶媒とした新規ゲル電解質では、そのゲル化機構の詳細はほとんど報告されていない。我々が発見したアルカリ金属塩による相分離の発生と多孔性イオン液体ゲルの形成は、冷却時の結晶化と競合することで網目の階層構造を大きく制御する手法となり得る。さらに、散乱法や分光法による熱物性や相分離発生機構の詳細な解明は、ゲルの構造物性制御とその分子設計の確立のための基礎的指針となると期待できる。
|