研究課題/領域番号 |
17K18342
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
環境動態解析
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
梅澤 拓 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主任研究員 (00570508)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | メタン / フィルン / ハロカーボン / 同位体 / モデリング / 同位体比 / フィルン空気拡散モデル / 気候変動 / 極域氷床 |
研究成果の概要 |
極域氷床上部の空隙層(フィルン)では深度とともに空気の年代が古くなり、原理的には深度分布から大気成分の時間変化を復元できるが、そのためにはフィルン固有の拡散係数の深度分布を正確に決定する必要がある。本研究では、ハロカーボン類の測定システムを構築し、グリーンランドで採取されたフィルン試料を分析した。そのハロカーボン類データを利用してフィルン空気拡散モデルの拡散係数の精度を向上させ、フィルン内の鉛直分布を用いて過去50年程度のメタン濃度変動を復元した。その結果、フィルンデータを用いた北極域のメタン濃度の正確な復元は1970年半ばまでは可能であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重要な温室効果気体であるメタンは人為的には化石燃料消費や農業に起因して大気に放出される。大気中メタン濃度の観測は1980年代に始まったが、観測された濃度変化の要因についての理解は不十分で、放出量削減策の立案にとっても課題となっている。過去の変動を読み解くことも温室効果気体の循環の理解に重要であり、極域氷床コアやその上部の空隙層(フィルン)を利用した研究が行われてきた。本研究は、様々な大気成分のフィルン内での輸送過程を検討し、現在の観測データをもとに過去どの程度遡ってメタン濃度が復元できるかを厳密に評価したものであり、今後の氷床コアやフィルン研究の推進に重要な示唆を与えている。
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