研究課題/領域番号 |
17K18353
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
計算科学
生命・健康・医療情報学
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
海津 一成 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (80616615)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 反応拡散系 / システム生物学 / 細胞シミュレーション / 一分子計測 / シミュレーション / 生物物理 / 反応拡散 / 生化学反応 / 計算生物学 / 分子構造 / マルチスケール / コンピュータシミュレーション |
研究成果の概要 |
一分子粒度シミュレーション技法に分子構造を取り入れ、分子構造と細胞レベルの生命現象を結びつけることを目指した。本研究では第一に、分子を剛体球として扱う従来法に対して、分子の向きと回転拡散、さらに分子表面の一部分のみが反応活性を持つ場合の計算を可能にした。これにより分子の構造と反応部位を計算に反映できるようになった。第二に、三次元空間の自由拡散運動に加えて新たに一次元・二次元を実装し、実際的で複雑な細胞構造を再現できるようにした。第三にクロマチン環境下でのシミュレーションを行い、分子混雑を利用した発現制御を検証した。また、本計算技法をフリーソフトウェアとして公開した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来法(拡張グリーン関数動力学法)は厳密かつ高速に一分子粒度で反応拡散を計算できる手法であったが、分子は剛体球、空間は三次元に限定され現実的な分子や細胞内構造の再現が困難であった。本研究は、厳密性と高速化を維持しつつ、複雑な分子・細胞内構造を含めた計算を実現した。これにより、より現実に近い細胞のモデル化が可能になった。また、本技法の厳密性により、シミュレーションを用いた新規理論の検証・提案を可能にした。さらに、本技法と一分子計測技術を組み合わせることで、これまで局所的な分子機能への影響に限られていた分子構造変化を細胞動態への影響にまで結び付ける新たな計算生物学の基盤技術を公開した。
|