研究課題/領域番号 |
17K18380
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
分析化学
法医学
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
高村 彩里 科学警察研究所, 法科学第一部, 研究員 (40778958)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | スペクトル解析 / 生体試料 / 血液 / 法科学 / 体液 / 陳旧 |
研究実績の概要 |
犯罪現場には、血液、精液、唾液など様々な体液資料が遺留される。犯罪捜査において、従来の体液種の同定分析に加え、その付着からの経過時間が推定可能となれば、犯行の立証や経緯の推定などに寄与し得る。本研究では、試料中の様々な分子種の検出が可能な振動分光手法と、複雑な生体試料のスペクトル特徴を解明するための多変量解析手法を利用し、体液試料の付着後に起こる化学反応過程の解明と、付着後の経過時間推定手法の開発を目指した。 本年度はまず、昨年度までに行った、「血液試料」を対象とする785nm励起近赤外ラマン分光を用いた経時変化分析及び「陳旧度指標」の提案に関する成果について、論文の執筆と投稿を行った。結果、Communications Chemistry誌での受理・掲載に至った。 加えて、昨年度に測定した、布等の干渉性担体に染み込んだ血痕試料の近赤外ラマンスペクトルについて、(1)担体由来の混入信号の解析的除去、(2)解析的に抽出した血液由来信号の、純粋血痕試料で構築した経過時間推定モデルへの当てはめ、(3)経過時間推定精度の評価を行った。(1)においては、以前に開発した解析手法(Anal. Chem. 89, 9797-9804 (2017).)に加え、仮想添加多変量解析法(安藤ら.(2015))の利用も比較検討した。結果、前述の混入信号除去解析により、干渉性担体上の血痕試料について、付着からの経過時間推定を高精度に可能であることを示した。さらに、担体由来信号の微小な実験的変動を、混入信号除去解析時に考慮することが、経過時間推定精度の向上に有効であることを見出した。同時に、推定精度は「純粋な」血痕試料の結果に及ばず、今回用いた混入信号除去解析では表現できていない、担体-血液間の非線形な相互作用の寄与が示唆された。
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