研究課題
若手研究(B)
本研究では、JPHC-NEXT 統合妥当性研究のデータを用い、食事記録よりアブラナ科野菜摂取量、調理法を考慮したイソチオシアネート摂取量およびイソチオシアネート代謝物と酸化ストレスマーカーとの関連をそれぞれ検討した。男女別に解析を行った結果、男性でのみ総野菜およびアブラナ科野菜摂取量と8-iso-PGF2α に有意な負の関連が認められた。男女ともにイソチオシアネート摂取量・排泄量と酸化ストレスマーカーには関連が認められなかった。アブラナ科野菜以外の野菜では関連は見られなかったことを踏まえて考えると、アブラナ科野菜に含まれるイソチオシアネートとその他の抗酸化物質が有益に働いたと考えらえる。
これまでの研究では、食物摂取頻度質問票より推定した野菜・果物摂取量と酸化ストレスマーカーの関連を調べた研究が数本あるが、我が国では行われていなかった。欧米と比較し、アブラナ野菜の摂取量が多いことから、がんなどの慢性疾患の原因となる酸化ストレスに与える影響を検討することには意義があると考えられた。今回、男性でのみアブラナ科野菜摂取量と8-iso-PGF2α に有意な負の関連が認められたが、男女ともにイソチオシアネート摂取量・排泄量と酸化ストレスマーカーには関連が認められなかった。この結果から、アブラナ野菜に含まれるイソチオシアネートおよび抗酸化物質との相乗効果が働いたのではないかと考えられる。
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