研究課題/領域番号 |
17K18454
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高本 康子 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 地域比較共同研究員 (90431543)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日本陸軍 / 写真 / 遺品 / 宗教 / 異文化 / 記憶 / 大陸 / 自衛隊 / 個人資料 / 戦争 / 地域社会 / メディア / 異文化接触 / 戦後日本 / 近代日本 / 満洲 / チベット / 日本近代 / 表象 |
研究成果の概要 |
成果としては大きく二点に分けられる。第一点は、新たな資料の発掘・発見である。際立って多数の資料を所蔵する個人との連絡が実現し、それらを直接調査する機会に恵まれた。特に東京都内二か所の個人資料群は、現時点の確認分で総数二万点を超え、内容も様々な分野の資料を含む有益なものであった。第二点は、現状における資料をめぐる諸問題を具体的に把握したことである。現状において速やかな対処が必要な問題は2点あると考える。すなわち、資料だけでなく、体験や記憶を次世代にどのように引き継ぐかという問題、および、非デジタル資料が持つ脆弱性、すなわち公開性および所蔵施設の管理、運営にあたる人材等についての諸制約である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の第一の学術的意義は、従来研究対象とはされにくかった資料の、今後の活用可能性を拓く最初の作業であったということである。例えば個人の遺品を横断的に網羅することで、近代日本において、個人の体験が軍隊や地域で共有され、現代へ受け継がれていく軌跡を追う情報媒体とすることが可能になったと考える。このように、従来戦史的な分野に集中していた研究関心をより広く集めることで、新たな視点・視座の設定可能性も生まれた。また社会的には、戦後70年以上経過した現在において、戦争の記憶を直接持つ最後の世代に直接向き合う活動をすることで、その心情を個人レベルで汲み上げることができたのが最大の意義であったと考える。
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