研究課題/領域番号 |
17K18475
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
江村 知子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 室長 (20350382)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 日本絵画 / 屏風 / 和紙 / 美術史 |
研究成果の概要 |
本研究では日本の屏風絵作品について、「紙の規格」という観点からその表現・技法についての考察を行った。国内外の中・近世屏風絵作品について調査および情報収集を通して、屏風には竹紙と雁皮紙が用いられていることが多く、水墨画や中国の画題は竹紙に、やまと絵や金地着彩の作品は雁皮紙に描かれることが多いという傾向を明らかにした。また中世には1枚の紙の大きさが比較的小さく、高さ150cm程度の屏風の1扇(1パネル)を縦5段ほどで貼り継いだ作品が多いが、江戸時代後期には、1扇を1枚の紙で貼るような、大きな紙を用いた作品が現れてくる。製紙技術や流通の発展と、表現技術の多様性が連鎖していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの日本絵画史研究では、絵に何が描かれているか、という問題から作品の歴史的考察がなされてきたが、どのような状態の紙の上に作品が描かれているか、という視点から研究がおこなわれることはなかった。時代や流派による使用材料の傾向は、製紙技術や流通の歴史を考える上でも重要である。中国が主要な生産地である竹紙と、日本が主要な産地である雁皮紙が、日本において歴史的に使い分けて絵画制作に用いてきたという事実を明らかにしたことにより、日本美術史のみならず、東アジア全体の紙の文化を考える上でも新たな視点を提示することができた。
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