研究課題/領域番号 |
17K18484
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 広光 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (70226546)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本語学 / 日本文学 / 分析書誌学 / 印刷史 / 書記様式 / 句読法 / パラテクスト / 出版史 / 西欧古版本 / 二十三年未来記 / キリストに倣いて / 文体論 / 読書史 / タイポグラフィ / 表記論 / 書誌学 / デザイン史 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本語のテクストを分節、階層化する諸要素の史的展開を明らかにしようとするものである。それを明らかにするために、書写や印刷・出版などテクストの供給と、読書の場、読者層、読み方などテクストの需要との相互影響関係と関連付けて解釈する。そして、新たな書記コミュニケーション史を構築するための一つの視座を提示することを目的とする。本研究で明らかになった成果は以下の通りである。(1)句読点、段落、章節のみならず、文章の表記に使用する文字の使い分けも、テクストの分節と構造化に関与している。読者はこれらの要素によって意味解釈を統御される。(2)一方で、句読法の標準化にテクストの意味解釈が関与している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で句読法の歴史的展開を明らかにしたのは、読むことと書くことの本質を考えるためである。私たちは読むとき、自分では意識していないけれども、句読記号や改行、章立て、タイトルなどの形式や様式によって意味解釈をコントロールされている。そうした形式や様式がどのような過程を経て成立したものであるのかを、技術やメディアのあり方との相関から考えることは、電子テキストが中心になりつつある、現代の過渡期的な書記コミュニケーションにおいて、どのような様式や形式がより適切なものであるのかを考える上で有益な視座を提供するであろう。これが本研究成果の学術的及び社会的意義である。
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