研究課題/領域番号 |
17K18485
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
太田 一郎 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (60203783)
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研究分担者 |
宇都木 昭 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (60548999)
太田 純貴 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (90757957)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 社会言語学 / アニメの声 / メディア論 / 音声学 / 声の文化 / 声優 / 音響分析 / メディアタイゼーション / 現代思想 / 音声分析 |
研究成果の概要 |
アニメ声優が演じる「声」の音響的独自性が人びとの「感覚」に内面化した社会文化的な制度として確立している様子を主に言語学とメディア論の観点から複合的にとらえることを試みた。(1) 女性声優のアニメの声と一般女性の声を比較した結果,アニメの声にはより多くの倍音成分が含まれるなどスペクトル包絡に関わる特性が見られる,(2) アニメと声をめぐる状況は 声優とキャラの間の「演技」,キャラとファンの間の「受容(消費)」,ファンと声優の間の「情的関与」が考察の対象となる, (3) アニメ・声・身体の関係の議論についての重層的な声の受容を論じる聴覚文化論や「音象徴」などの言語学的知見が有効なことなどを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的・社会的な意義は,[1] 音響分析や発話実験によってアニメの声質と一般人の声質の音響的な特性に異なりがあるという言語学的知見を得たこと,および[2] 独特の音声的特徴を「声の触覚性」という現代思想の概念を援用して感覚面から捉えるために,ポップカルチャー史,メディア史を背景に声優の系譜を洗い出し,声優研究には映像という視覚的要素が不可欠であることを指摘したことから,[3] 音韻論的体系を越えて新たに生まれてくる言語現象を,歴史的・文化的文脈へ位置づけながら文化として確立する様相に着目するという,言語と文化の関係を捉える研究に新たな転換の可能性を示したことにある。
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