研究課題/領域番号 |
17K18515
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
今津 節生 奈良大学, 文学部, 教授 (50250379)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 糖類 / ラクチトール / トレハロース / 沈没船 / 防錆 / 保存処理 / 水中考古学 / 沈没船の保存 / 高湿度環境で安定化 / 金属と木材の複合遺物 / 木材と金属の複合遺物 / 硫黄・鉄・酸化 / 硫化鉄 / 硫酸鉄 / PEG / 硫化鉄の劣化 / 環境維持 / 塩類の安定化 / 金属の防錆 / 海底出土遺物 |
研究成果の概要 |
本研究は、沈没船など木材と金属の複合遺物に対して、防錆、塩類の安定化、高湿度環境での安定性について糖類を用いた含浸処理を中心に検討した。 その結果、ラクチトールやトレハロースは金属の錆化を防ぎ、塩類の潮解性を改善し、高湿度環境でも安定することが判明した。この研究成果は海底から発見された沈没船などの木材と金属の複合遺物の保存に極めて有効である。本研究の成果は、長崎県鷹島海底遺跡の元寇沈没船をはじめ、東アジア諸国で発見された沈没船の保存と保存施設の環境維持にとって画期的な保存技術となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海底から発見される沈没船は、“海のタイムカプセル”と言われる。スウェーデンのバーサ号や英国のメリーローズ号のように、展示効果は極めて大きいが幾つかの保存問題が指摘されている。日本でも長崎県松浦市鷹島海底から元寇沈没船が2隻発見されている。沈没船の保存方法は1970年代からヨーロッパで発展したが、保存期間の長期化、膨大な経費、保存処理後の劣化など多くの問題を抱え、2009年に発効したユネスコ水中文化遺産保護条約でも保存方法が問題になっている。私達は、糖類の一種であるトレハロースを使い、この問題を解決しながら、沈没船の新しい保存方法の開発に挑戦している。
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