研究課題/領域番号 |
17K18517
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐野 雅規 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (60584901)
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研究分担者 |
鎌谷 かおる 立命館大学, 食マネジメント学部, 准教授 (20532899)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 環境史 / 気候変動 / 樹木年輪 / 古文書 / 年貢割付状 / 近世日本 / 農業生産 / 免定 / 酸素同位体比 / 米収量 / 古気候 / 社会応答 / 古気候復元 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、古気候学と歴史学の成果を融合し、近世日本において気候変動が米を中心とする農業生産に及ぼす影響を評価することである。樹木年輪サンプルの酸素同位体比から復元した梅雨期の降水量と、年貢割付状に記された残高から復元した米収量の経年変化を比較したところ、降水量の増大による洪水が米の収量に大きく寄与していたことが明らかになった。ただし、水田を取り巻く周辺の環境によって降水量と収量の関係が不明瞭になる地域も確認された。そのほか、年貢の算出方法も地域や時代によって変容することが分かり、気候による農業生産力の変化に対して、租税を通じた社会対応の多様性を確認するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在進行中の各種の環境問題に対して、人類が柔軟に対応していくための方策を環境史から学べないかとのアイデアで本研究を計画した。過去の気候と農業生産の関係についての普遍性や地域特性、両者の関係の時代変化などを統計学的に調べた結果、降水量の多寡が米の収量に大きく寄与していたことが明らかになった。また、地域や時代によって年貢の算出方法が大きく変容していたことを突き止め、その一要因として農業生産力が関係していることを見いだした。農業気象学的な知見だけでなく、徴税(年貢)を取り巻く具体的な支配のあり方や、地域社会における気候と生産の問題等に関わる論点も重要であることを本研究で見いだすことが出来た。
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