研究課題/領域番号 |
17K18518
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
尾崎 貴久子 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (00545733)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 回回薬方 / 医学典範 / 東西交流 / ホラズムシャーの宝庫 / 明 / イスラム医学 / 中国医学 / 元 / イブン・スィーナー / フワーリズムシャーの宝庫 / ホラズム朝 / 明代中国 / モンゴル / 医学史 / モンゴル時代 / 元朝 / 中医学 / 翻訳 / 薬局方 / 漢語翻訳 / アラビア語 / 回回 / 東西交流史 |
研究成果の概要 |
本研究のねらいは、漢語イスラム医学書『回回薬方』(以下、『回回』)の記述内容分析を通しての、モンゴル時代におけるイスラム医学の中国への東伝の実相の解明にあった。『回回』はイスラム医学翻訳書と注目されていたものの、イスラム医学書原典との連関の究明はほとんどなかった。『回回』は10世紀アラビア語医学書2書と11世紀ペルシャ語医学書類を引用元とし、漢語訳はそれらアラビア語・ペルシャ語記述部分の一語一句の精緻な逐語訳であること、を明らかにした。全記述の引用元の同定はなしえていないものの、『回回』は10世紀以降に西アジアで編纂されたイスラム医学書の情報を集積した漢語翻訳書であったことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、イスラム医学の東進に関する研究に新たな展開をもたらしたといえる。漢語イスラム医学書『回回薬方』の引用元として、10・11世紀のアラビア語・ペルシャ語の医学書3書を見いだした。記述内容の比較検証から、中国におけるイスラム医学者集団の存在とイスラム医学治療の実践の様相を捉えうる複数の手掛かりを提示した。またその漢語翻訳は原典の一字一句の逐語訳であることが明らかにし、アラビア語・ペルシャ語と漢語の対訳表の作成にも着手した。一つのモノグラフとして研究成果を編む方向性と枠組みを打ち立てることができた。
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