研究課題/領域番号 |
17K18539
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
法学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中塚 晶博 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (20597801)
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研究分担者 |
粟屋 剛 岡山商科大学, 法学部, 教授 (20151194)
目黒 謙一 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (90239559)
山本 克司 修文大学, 健康栄養学部, 教授 (50389201)
和田 泰三 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (90378646)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 認知症 / 異常行動 / 介護負担 / 医師患者関係 / 高齢者虐待 / 利益相反 / 利益衡量 / 介護者の人権 / 認知症者の人権 / 監督義務者責任 / 利益相反状況 / 手続き保障 / 高齢化社会 / 人権 / 医療倫理 / 意思能力 |
研究成果の概要 |
本研究は、認知症者の人権と介護者の利益、および公共の利益の間の緊張関係について学際的な視点から分析し、問題解決のための提言を行うものである。 これらの問題を分析する前提として、大阪府、三重県、宮城県をはじめとする複数の医療・介護現場、および家族介護者の実態を調査した。さらに、高齢者虐待の事例や判例も踏まえ、現場慣行や個人の行動を規定する要因について分析した。医学・倫理学・法学等の分野に亘る知見および議論に基づき、認知症者とその家族、および公共の利益を確保するために必要となる「医師患者関係」の在り方、介護者支援の在り方等について検討し、議論を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「治療」や「保護」の名目で認知症者の管理が正当化されることについての医学的・倫理的・法的な問題点に光を当てるものである。そして、認知症者の自由、認知症者の家族の人権、および公共の安全の間に存在する緊張関係を明らかにした。この緊張関係は、「認知症者への人権侵害」と「過酷な介護負担」に共通する問題の本質を理解するための鍵となるものである。これからの医療・介護専門職には「関係者間で対立する利益の調和」を図るべき使命が求められると考える。この使命は、患者との関係において医療提供者を「対等な当事者」として理解する伝統的な「医療倫理」の枠組を超えるものと言える。
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