研究課題/領域番号 |
17K18544
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
法学およびその関連分野
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
鈴木 賢 明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 同性婚 / 婚姻平等 / LGBTQ / 台湾法 / 中国法 / 性的指向 / 同志 / マイノリティ / 多元的家族 / 大法官 / LGBT / 違憲 / 国民投票 / 人権 / 憲法解釈 / 婚姻平等化 / 婚姻の自由 / 性的マイノリティ / 同性カップル |
研究成果の概要 |
台湾は2019年5月24日、アジアでは初めて同性間に婚姻を成立させるための法を施行、2021年5月末までに6098組の同性カップルが婚姻した。本研究では日本同様、同性愛者を法的な空間から追放してきた台湾が、なぜアジアで初の同性婚法をもつに至ったのか、その要因を探求し、台湾が辿った道の特徴を分析した。 その結果、民主主義と市民社会の成熟、ジェンダー平等の実現、定期的な政権交代、健全な違憲審査制度、自由、人権の価値と台湾アイデンティティとの結びつきなどのマクロ的な要因があることが判明した。逆に言えば、これらがことごとく欠けている中国では、婚姻における性的指向による差別を解消することは困難である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LGBTQが完全に私的問題として扱われ、社会的空間において不可視化され、法に包摂されていなかった台湾と中国においても法モデルの転換が生じつつある状況に焦点を当てて、法モデルの転換を促す要因を解明する研究である。特に台湾では2019年に同性間にも平等に婚姻を成立させる法が施行されたが、この法を生み出した社会的、政治的、国際的ダイナミズムを明らかにし、法施行後のインパクトを分析した。今後、日本でも同性婚問題が政治的テーマとなり、具体的な法制化が検討されることになろうが、これまでの欧米からの示唆とは異なり、儒教文化圏にして旧植民地でもあった台湾の経験から実践的な示唆を得ようとする研究である。
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