研究課題/領域番号 |
17K18561
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原 千秋 京都大学, 経済研究所, 教授 (90314468)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 不確実性 / 曖昧さ / 動学的一貫性 / 効率的配分 / 異質性 / 効率的資源配分 / 主観的時間割引因子 / 動学 / 協力ゲーム / 資産価格 / ポートフォリオ / 経済理論 / 数理ファイナンス / 意思決定論 / 金融論 |
研究成果の概要 |
本研究課題の目的は,協力ゲームなどの領域で培われた集団的意思決定の理論を,動学的マクロ経済学などの分析手法を使って,動学的枠組に拡張することであった.
本研究課題では以下の二つの成果を得た.(1)新型コロナ感染症の流行のように,不確実性を描写する確率分布が不明な状況では,意思決定主体は,ベイズの公式から得られる確率分布よりも多種多様な確率分布を想定すべきことを示した.(2)曖昧さ回避的な意思決定者間の効率的消費配分ルールの特徴を明らかした.さらに,Hansen-Jagannathan Bound(経済全体が直面する不確実性を忌避する度合いを表す尺度)が景気循環とは逆向きに変動することを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:本研究では曖昧さ回避の度合いが異なる複数の消費者からなる経済の効率的配分を特徴づけたが,その手法は本研究課題で開発されたものであり,多種多様な曖昧さ回避的な消費者の分析に適用できる可能性を秘めている.本研究は,複数の曖昧さ回避的消費者からなる経済の均衡分析の一般論の発展に端緒をつけたと言える.
社会的意義:本研究では,意思決定にあたり,動学的一貫性を担保するために,曖昧さ回避的な政府は一般に考えられるよりも多種多様な確率分布を想定する必要があることを示した.実際の政策立案では,意思決定の合理性が不可欠である.本研究は,そのような政策立案での意思決定のあり方を提示したと言える.
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