配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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研究実績の概要 |
本研究は, 専門高校卒業生の継続的な学び支援の検討を目的とする。年度ごとの実績は以下のとおり。 平成29年度は, 研究組織の構築を図り, 研究計画の確認と初年度の研究を遂行した。①工業高校卒業生への追跡調査では, 研究分担者及び協力者と共に学びの支援に関する質問項目を設定し, 卒業後5年以上の工業高校卒業生を対象に選択式及び自由記述形式で調査を実施した。また②工業高校から大学への進学については, 平成30年度の大学・高校双方の全国調査に向け, フィールドワークの実施, 及び質問項目の検討を行った。フィールドワークでは, 進学実績の多い全国5校の工業高校を訪問し, 進学支援の実態や課題点等を聞き取り調査した。平成30年度に向けた全国調査の質問項目の選定においては, 高校・大学双方が求める工業高校卒業生像について, 学習指導要領や社会人基礎力等の文献を基に検討した。また, 調査の実施方法についても関係機関との連携を図って大規模に行う体制の検討を行った。平成30年度は, ①前年度実施した工業高校卒業生への追跡調査の結果(工業高校卒業後5~30年程度の社会人を対象)を集計・分析し, 結果を学会等において公表した。また上記の回答者から1名の卒業生を選定し, 半構造化面接法による面接調査を実施した。②工業高校から大学への進学について全国約500校の工業高校を対象に調査を実施した。研究協力者らと質問項目を設定し, 現行の教育課程の状況を含めて郵送による調査を実施している。合わせて, 工業高校卒業生を受け入れる全国約200校の理工系大学, 職業能力開発大学校等を対象に, 受け入れの体制等について調査を実施した。令和元年度は, 工業技術教育学会会員の協力を得て, 工業高校教員と, 受け入れる理工系大学等が求める進学を目指す生徒像を明らかにするため, その要素の抽出を試みた。37の質問項目の回答について, 探索的因子分析を実施した結果, 3因子を抽出した。第1因子は「基礎的な実践力」因子, 第2因子は「基礎的な知識力」因子, 第3因子は「工業の学びへの肯定感」因子である。このうち工業高校教員は3つの因子全てにおいて期待度が高かったが、大学側は第3因子の「工業の学びへの肯定感」のみにおいて工業高校教員より高い期待値が示された。
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