研究課題/領域番号 |
17K18706
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
心理学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
須長 正治 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (60294998)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 2色覚 / 視覚探索 / 色覚異常 / 多色環境 / 2色覚 / 3色覚 / 色覚特性 / 多色視環境 / 色覚 / 視環境 / 色の見え |
研究成果の概要 |
3色覚が色覚正常と言われるのに対し,見分けられない色を持つ2色覚は色覚異常と言われ,3色覚よりも劣った色覚であるとみなされている.しかし,色覚特性の全ての面で,劣っているかどうかはわからない. そこで,本研究では,視覚探索課題を用い,S錐体刺激値差を手掛かりとした色探索に必要な時間を3色覚と2色覚で比較検討した.この際,目標刺激は妨害刺激の間のS錐体刺激値を持つ色とした.その結果,刺激全体が赤みがかるまたは緑みがかると,3色覚の視覚探索能が顕著に低下し,その探索時間は,2色覚よりも長くなった.すなわち,色覚特性に優劣はなく,それぞれに得意な環境,不得意な環境があることを意味する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2色覚は,見分けられない色があることから,色覚異常と言われ,劣った色覚という考えや印象が社会的に存在する.さらに,これが色覚に関する差別に発展することもあった.これに対し,現在では,2色覚や3色覚は色覚の多様性としてみなすべきという考えが提唱されている.本研究にて明らかにした2色覚が3色覚よりも早く目標刺激を見つけることができる色彩環境があるという事実は,この考えに科学的な根拠を与えるものであり,このような色彩環境を社会に還元していければ,色覚の優劣ではなく,多様性という理解が深まっていくであろう.
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