研究課題/領域番号 |
17K18708
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
心理学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
寺本 渉 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (30509089)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 実験心理学 / 情動触 / 視触覚相互作用 / 聴触覚相互作用 / 異種感覚統合 / 触覚 / 実験系心理学 |
研究成果の概要 |
触覚には接触対象の構造や形状など物理的特性の分析に関わる識別触のほかに,接触対象の情動的評価に関わる情動触がある。従来の異種感覚相互作用研究のほとんどは識別触を対象としてきてたものである。しかし,識別触に関わる皮膚表面の刺激受容器から連なる神経繊維は全体のわずか25%にすぎないことを考えると,情動触が過小評価されてきたといえる。本研究において情動触に関わる異種感覚相互作用を調べた結果,視覚アウェアネスが生じる以前にすでに情動触に関わる視触覚相互作用が生起している可能性があることや,情動触に関わる聴触覚相互作用によって生理的及び心理的な反応が引き起されうることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情動触に関わる異種感覚相互作用がほとんど明らかにされていない中,本研究は,(a)情動触も識別触と同様に視覚アウェアネスが生じる前に情報統合が行われる可能性や,(b)聴覚情報によって触感が喚起されることによって生理的変化や心理的変化が生じうることを明らかにした。この知見は今後情動触の一般原理の理解をいっそう推し進めるものとなると考えられる。触覚は,バーチャル・リアリティにおいて提示対象の実在感を高めるうえで極めて重要な役割を担っている。本研究の成果は,バーチャルリアリティにおいて,視覚や聴覚情報を使って情動触をも喚起または増強する技術へとつながる可能性を示すものである。
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