研究課題/領域番号 |
17K18712
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
心理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
幸田 正典 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70192052)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2017年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 顔認知 / 倒立効果 / 個体識別 / 脊椎動物 / 脳神経回路の相同性 / 系統進化 / 視点追従 / 顔認識 / 鏡像自己認知 / 自分の顔 / 顔の倒立効果 / 真の個体識別 / 顔神経 / 硬骨魚類 / 相当と相似 / 系統関係 |
研究成果の概要 |
N. pulcherでの顔認識の倒立効果が検証され、また魚が相手個体の顔に注目することが確認できた。この倒立効果は、魚類の顔認識もヒトや霊長類と同様に顔認識で全体処理をしていること、そしてそのための神経基盤が存在することを示唆している。このことは、少なくとも重要な感覚神経とその処理回路が魚の段階で進化していた可能性を示唆する。さらに顔を注目する事もヒトや霊長類の顔認識との高い類似性を示している。また真の個体識別についても確認できた。これら本研究での発見から、脳神経回路における系統的な相同性が伺われる。我々は、これら一連の顔認知能力とその神経基盤は魚類の進化段階で確立したとの仮説を提唱したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、魚からヒトまでの脊椎動物の顔認知が、全体処理能力を伴ないかつ瞬時の処理をするなど多くの面での高い類似性を示した。この発見は、顔認識過程の脊椎動物での相同性を示唆しており、顔認識様式が脊椎動物の初期進化段階で進化した可能性の高さも示唆している。さらに顔神経という共通の神経基盤を共有している可能性が高い事も推察される。魚類の認知と顔神経の関連性の指摘が、脊椎動物の脳神経科学へ与える影響は極めて高いと考えられ、魚類を含む脊椎動物での認知神経系の解明が今後促進されることが期待される。また、本課題と今回の諸成果は、この分野が脊椎動物の社会認知進化研究の好材料となり得ることを示している。
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