研究課題/領域番号 |
17K18745
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性物理およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80189399)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 表面 / 界面 / ESR / 強磁場 / テラヘルツ |
研究成果の概要 |
本研究では、物質変化の起点である表面・界面の理解から新しい研究領域を切り拓くために、高周波ESRと元素選択的な軟X線磁気円二色性分光を組み合わせて、磁性体表面の原子層レベルの磁気共鳴を観測可能な磁化検出型の電子スピン共鳴手法を発展させることを目指した。今回低温化とWバンドまでの高周波化に成功し、常磁性体にも対応する50 K以下の低温で実験が行えることを実証した。また、感度向上のために各種の変調方法を比較し、それらの有効性を検証した。時分割測定への拡張のために発光分光を用いたXMCDとの組み合わせの可能性を検討し、1000パルス、1秒程度の積算で測定可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、表面や界面における磁性の動的な振る舞いを調べるために原子層感度を有する電子スピン共鳴手法を開発することを目的としている。物質表面の磁性を研究する方法は幾つかあるが、電子スピン共鳴のように、表面の磁性の安定性や動的な性質を低エネルギーで正確に求められる手法は少なく、また、対象物質や応用範囲が限られていた。今回、表面敏感なX線磁気円二色性と高周波を組合わせ、この手法の応用範囲を一般的な磁性体まで広げる可能性を実証したことは大きな意義がある。さらには、将来的に時間分解測定も可能であることを明らかにしたことで、磁性体の高速スイッチングなどの現象への応用を開く事が期待される。
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