研究課題/領域番号 |
17K18748
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性物理およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井手上 敏也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90757014)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 遷移金属ダイカルコゲナイド / バレートロニクス / 励起子 / 熱輸送 / ホール効果 / 二次元物質 |
研究成果の概要 |
本研究では、円偏光やスピンと結合したバレー自由度を持つ単層遷移金属ダイカルコゲナイドにおいて、熱勾配や化学ポテンシャル勾配に由来するバレー偏極素励起の特徴的輸送現象を包括的に研究した。その結果、バレー偏極励起子が遷移金属ダイカルコゲナイド中を数マイクロメートルにわたって拡散すると同時に、バレー自由度に依存して横方向の運動をするホール効果を示すことを発見した。さらに、遷移金属ダイカルコゲナイドとフェリ磁性体や反強磁性体の界面において、特徴的バレー・スピン緩和現象を観測し、従来研究されてきた遷移金属ダイカルコゲナイドと強磁性体界面におけるバレー・スピン緩和現象を拡張した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、熱勾配や化学ポテンシャル勾配に由来するバレー輸送に着目したユニークな研究であり、発見した特徴的バレー輸送現象は、バレートロニクスの飛躍的発展に寄与する成果である。励起子ホール効果はバレー偏極励起子流の方向制御に有望であると同時に、バレー流生成の基本的手法になり得る可能性があり、本現象を契機としたバレートロニクス研究の新展開が期待される。また、遷移金属ダイカルコゲナイドとフェリ磁性体や反強磁性体の界面において観測した特徴的バレー・スピン緩和現象は、バレートロニクスとスピントロニクスを橋渡しする重要な成果であり、今後他分野とのさらなる学理融合と相互発展が望まれる。
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