研究課題/領域番号 |
17K18751
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性物理およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤澤 利正 東京工業大学, 理学院, 教授 (20212186)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 電子フォノン結合系 / フォノニック結晶共振器 / 量子ナノデバイス / フォトニック結晶共振器 / メゾスコピック系 |
研究成果の概要 |
本研究では、半導体基板上の表面弾性波に対するフォノニック結晶により、フォノン分散関係の変調や、フォノンを狭い空間に閉じ込めるフォノン共振器構造を形成し、電子格子相互作用を積極的に活用しすることで、コヒーレントに結合した電子フォノン結合系を創生することを目的とした。具体的には、AlGaAs/GaAs変調ドープヘテロ構造などの半導体表面に、人工的に設計された金属周期構造を作製することにより、表面フォノン(表面弾性波)を用いたフォノニック結晶やフォノン共振器を形成した。共振器中に作り込まれた二電子系二重量子ドットの輸送特性を評価することで、フォノンで励起されたラビ分裂の観測などに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、電子格子相互作用によるフォノン散乱は、電子系のコヒーレンスを乱す悪役としての印象が強い。本研究では、電子格子相互作用を積極的に活用し、電子と格子が結合した1つの系として扱うことで、フォノン散乱によるデコヒーレンスなどの問題点を克服し、電子格子結合系全体の量子性に着目するという新たな視点での研究を進めた。これは、電子フォノン結合系での共振器量子電磁力学の創生を目指すもので、その学問的な価値は非常に高い。本研究では、フォノン励起によるラビ分裂の観測により、一定の成果に達したものと考えている。今後、素子構造の改善などで真空ラビ分裂の観測に至ると、より学術的・社会的価値が明確になると期待する。
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