研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究の目的は、非破壊パルス電磁石を用いて磁束を濃縮する新しい磁場発生技術を確立し、人類が未だ成し得ていない電磁石の破壊・変形を伴うことの無い100テスラの磁場発生と、その磁場下での磁化測定を実現する事である。パルス磁場下の金属には、磁束の浸入を妨げるための遮蔽電流が誘起される。この時、排斥された磁束が残された非金属領域に集中すると、元の磁場強度を上回る局所的強磁場の実現が期待できる。この考えをもとにして無酸素銅製の治具を作成し、パルス磁場中に挿入する実験を行ったところ、約5テスラの初期磁場が約10テスラまで増加する、約200パーセントの磁場増強が可能であることを実証した。
電子や原子核のスピンに直接作用する磁場は、物理現象を解明する基礎研究から、磁性材料や電子デバイスを制御するための産業応用に至る、様々な分野で必要不可欠な外場である。磁場発生技術の長い歴史の中で、非破壊パルス磁場による100テスラの更新は多年の悲願であり、新しい磁場発生技術の開発が切望されていた。本研究で示した非破壊磁束濃縮法の実現はその状況に風穴を開ける重要な成果である。また、超強磁場を必要としない多くの磁場発生装置の小型化にも貢献出来るため、社会的意義も高い。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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