研究課題/領域番号 |
17K18761
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性物理およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
矢野 英雄 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70231652)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 低温物性 / 超流体 / 量子渦 / 超流動流 / 量子渦集中 |
研究成果の概要 |
これまでの研究実績は以下のとおりである。 ① 超流動ヘリウムに回転流と吸い込み流を駆動するポンプを開発した。このポンプによって、超流動ヘリウムの巨大渦(吸い込み渦)の生成に成功した。② 巨大渦における液面高さの空間変化より、渦流の循環を求めた。この循環はポンプの羽根車の回転速度にほぼ比例し、ポンプから排出される超流動流がもつ角運動量に、渦の循環が関係することを明らかにした。③ 第2音波の減衰により、巨大渦中心を通る経路の量子渦密度を見積った。②で求めた循環と量子渦密度から、渦流によって液面が引き込まれる渦管の直径より2倍程度の直径の円筒領域に、量子渦が集中することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、巨視的量子凝縮相で研究されてこなかった渦の基本定理を応用し、新たな概念である超流動の流れによる量子渦集中を確立した点に意義がある。量子渦の構造、複数の渦の結合、量子数2以上の量子渦など、超流動の安定性に関する未解決問題への研究方法を提供する。また、渦が発生する過程での循環の集中は古典流体でもいまだ未解決であるが、循環が量子渦で特徴づけられ、その運動を可視化できる超流動ヘリウムによってのみ、詳細に研究することができる。渦の発生メカニズムの解明は、工学的応用や竜巻など気象学でも重要で、本研究の成果は、量子流体にとどまらず流体工学や地球流体力学へも応用される。
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