研究課題/領域番号 |
17K18762
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性物理およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70251486)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 低温物性 / 超流動 / 水素 / 非平衡 / 弾性 / ネオン / 物性実験 / 走査プローブ顕微鏡 / 強電場 |
研究成果の概要 |
新しい物理学の発展をもたらす超流動体の創出を目的として、本研究では水素分子薄膜の超流動化を目指した。水素薄膜に強静電場を与えて流体状態を低温まで保持し、超流動化を図ることを計画した。この実験の前に水素薄膜の量子性を調べるために3種類の同位体(H2,HD,D2)薄膜の弾性測定を行い、異なる温度3箇所で弾性異常(弾性率の増大と散逸の極大)を発見した。その解析から、薄膜の最表面では低温まで水素分子が流体として保持されるが1Kで固化することが初めて明らかになった。これは、固体水素の最表面が超流動寸前の状態にあることを示唆しており、水素薄膜を人工的に超流動化する手法の開発につながる重要な成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、分子状水素を用いて新しい超流動体をつくる試みである。超流動と超伝導は共に現在も物理学の最先端課題として活発に研究されている。これは両者が対称性破れのような物理学の基本概念を生み出してきたからである。超伝導体は多数存在するのに対し、超流動体は極めて少ない。そのため新しい超流動体が見つかれば、物理学の新しい発展をもたらすと期待される。本研究は、研究代表者の独自のアイデアで水素分子薄膜で人工的に超流動を実現することを目指す。本研究により、ボース粒子であるH2,D2の超流動だけでなく、フェルミ粒子のHDを用いた異方的トポロジカル超流動体の創出につながる可能性がある。
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