研究課題/領域番号 |
17K18766
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性物理およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
今田 裕 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (80586917)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | スピントロニクス / 光物性 / 走査トンネル顕微鏡 / スピン-光変換 / 二次元半導体 / スピン流 / 偏光 / STM発光 / 走査プローブ顕微鏡 / スピン |
研究成果の概要 |
本研究は、スピン偏極STM技術を導入することにより、我々のもつSTM発光分光法にスピン分解能を与える新技術、スピン偏極STM発光分光法(SP-STL)を開発する課題である。1,2年目までにスピン偏極STMの導入とSP-STL確立を実現し、発光物質GaAsにおいて原子スケールでのスピン-光変換ダイナミクス観測に成功した。3年目では、更なる実験と詳細な解析により、SP-STLを用いることでスピン流の緩和ダイナミクスを捉えることが可能なことを、世界で初めて明らかにした。また、こうした個別電子と光の間の角運動量変換とは別に、集団電子(プラズモン)と光の間にも角運動量相関が存在することも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最も大きな意義は、スピントロニクスの基礎研究において、原子スケールでスピン-光変換ダイナミクスを議論できる、唯一無二の強力な手段が確立された事である。スピン-光変換も含めた、様々な機能性で注目される二次元物質は、その二次元性から欠陥や不純物に大きく影響される特徴を持つ。そのため、Photoluminescence(PL)法などでは解明できなかった欠陥や不純物によるスピン散乱を直接測定できるようになった点は、測定手法としての明らかな優位性となる。また、スピン流のダイナミクスを原子スケールで可視化できる点は、他に類を見ない測定手段が実現されたという意味で、本研究の独創的な価値である。
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