研究課題/領域番号 |
17K18795
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
羽馬 哲也 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (20579172)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 核スピン選択則 / 気相化学反応 / 核スピン異性体 / 星間化学 / 彗星 / 星間分子雲 / 原始惑星系円盤 |
研究成果の概要 |
H2O, NH3などの星間分子の核スピン異性体比(オルソ/パラ比)は,核スピン統計重率比よりも低いことが知られているが,その原因については未だにほとんどわかっていない.考えられる仮説として「宇宙にはパラH2が豊富に存在するため,パラH2の気相化学反応によって別の分子(H2Oなど)が生成したときに,パラH2の核スピンが保存され生成分子にもパラ状態のものが多く生成する」可能性,つまり気相化学反応における核スピン選択則によるものが考えられる.そこで本研究ではこの仮説を検証するために,パラH2の気相化学反応で生成した分子の核スピン異性体比を直接測定するための実験装置の設計・開発をおこなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天文学や地球惑星科学では「星間分子(H2O, NH3, CH4など)の核スピン異性体比から,分子が過去にどのような環境で生成したのかがわかる」と考えられており,積極的に観測研究が進められてきた.しかし,近年の代表者の実験研究によって「H2Oの核スピン異性体比からはH2O氷の生成時の環境を知ることができない」ことが明らかになったため,星間分子の核スピン異性体比が本当は何を意味しているのかは,30年以上の観測研究の蓄積にも関わらず未だに不明である.本研究によって「星間分子の核スピン異性体比が異常な値をもつのは,気相化学反応が原因である」という新説を提案・検証するための基礎が確立した.
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